これは、二人の物語の最終章 そして全ての幕開けの物語
それは遠い、どこかの場所の、ふたりの少女の物語。
ある村に住む少女・舞砂 (まいさ) は、人とは違う能力を持っていた。
周囲の人々から気味悪がられ疎まれる舞砂は、孤独にひっそりと生きるしかなかった。
それでも人々は、舞砂を恐れ、排除しようとした。
そして、舞砂は 『天秤の森』 に捨てられた。
魔女が住み、そこに捨てられると “存在が消える” と噂される霧深い森。
しかし、絶望と諦めの中で森をさまよう舞砂の前に現れたのは、優しげな笑みを浮かべる少女だった。
少女に導かれ、霧の中を進んだ先に舞砂が辿り着いた場所は、捨てられた者たちが住む大きな屋敷。
輪子と名乗る少女は、舞砂の手をつなぎ、囁く。
「ここは、あなたがいる場所」
それは昔、まだ 『天秤瑠璃学園』 が存在する遥か前の物語。
霧深い森で出会ったふたつの運命が、廻りはじめる――。
PCゲーム 『時計仕掛けのレイライン』 本編では描かれない 「始まりの物語」 を小説化。
ゲーム本編の舞台・天秤瑠璃学園が作られるはるか昔の、“やがて学園を創設する少女” と “存在が消えると噂される森に住む少女” の物語。