ヨコハマ買い出し紀行
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『ヨコハマ買い出し紀行』(よこはまかいだしきこう)は「月刊アフタヌーン」(講談社)に連載されていた芦奈野ひとし作の漫画作品。単行本は全14巻。
概要
第1作は同誌1994年4月号に読み切りとして掲載(いわゆる第0話)、作者にとってはこの作品がデビュー作でもある。本作品が同年春のアフタヌーン四季賞で四季賞を受賞する。続いて9月号に続編が掲載され、好評を得たことから同年12月号からは連載となり、2006年4月号まで掲載。全140話。物語全体を通して、穏やかな独特の世界を描いていく。
本編の連載終了後、2006年7月号に、書き下ろしとして、同一の世界を舞台としたものと思われる(時代は連載終了時点から数十年以上後と推測される)短編『峠』が掲載された。
また、ラジオドラマが椎名へきるのラジオ番組で放送され(後にドラマCD化)、二度OVA版が制作されている。
2007年には第38回星雲賞(コミック部門)を受賞した。
「お祭りのようだった世の中」がゆっくりと落ち着き、「夕凪の時代」と呼ばれた近未来の日本(主に三浦半島を中心とした関東地方)を舞台に、「ロボットの人」である主人公「アルファ」とその周囲の人々の織りなす「てろてろ」とした時間を描いた作品。
作中の社会状況は、明示的には語られていないが、断片的な記述を総合すると、地球温暖化が進んで海面上昇が続き、物資は欠乏(米や醤油など生活必需品も入手困難)、治安は現在よりも悪化(来客への応対時や配達時に護身のため拳銃を携帯)、人口が激減したことなどが示されている。総じて、人類の文明社会が徐々に衰退し滅びに向かっていることが示唆されている。しかし、その世界に悲壮感はなく、人々はむしろ平穏に満ちた日々を暮らしている。また、詳しくは語られていない謎の存在も多く、そのまま作中の日常世界に組み込まれている。これらの不思議については作中で真相が明かされることはなく、どう解釈するかは読者に任されている。
なお原作終了後に刊行された小説版(香月照葉 著)では、「夕凪の時代」の後に人口はさらに減少を続け、ほぼ滅亡状態となった「人の夜」を迎えた、としている。
各話は、登場人物の私的な日常を軸に展開し、また「ロボットの人」が周囲に「そういう個性のある人」として受け入れられて生活している様子をとらえている。
介紹資料引用於此http://ja.wikipedia.org/wiki